ようこそ、シュガーです。
久しぶり?の小説感想記事はこの作品です!
「工学部・水柿助教授の逡巡 The Hesitation of Dr.Mizukaki」
ではいってみましょう!
内容紹介
なんとなく小説を書き始めた水柿君は、すぐに書き上がったので、出版社に送ってみたら、なんと本になって、その上、売れた! そして幾星霜、いまではすっかり小説家らしくなったが……。
内容紹介引用元:幻冬舎公式ホームページ
URL:https://www.gentosha.co.jp/book/b3739.html
記事本文
感想
水柿助教授シリーズ、別名M&Sシリーズ(水柿&須磨子)の第2巻。
面白かったです。
文庫の発売が2007年なので、全然新刊ではありませんけど、私が森博嗣さんの小説を読み進めているのでこのタイミングに。
作品の中で何度も「これは小説である」と主張されていますが、どう考えてもそういう体裁にしてある森博嗣さんのエッセイですよねコレ?
小説であるという主張のために多少の脚色はされているでしょうけど。
この2巻では、水柿くんがいかにして小説家デビューするのか、執筆のスタイル、デビューしてから変わったこと、さらには出版社とのやり取りの一部を読むことができます。
どこを読んでも面白いのですが、私がこのシリーズが好きな大きな理由の1つとして、水柿くんの奥さんである須磨子さんの存在があります。
彼女の言動にワクワクしたり、共感したり、クスッと笑わされたりして、一瞬も飽きないんですよね。
水柿くんが小説を書き上げた後、須磨子さんに読んでもらった結果は芳しくありませんでしたが、いざ出版が決まるとそれはそれで喜んだり驚いたりする様子は、読んでいて楽しかったです。
また、水柿くんが人気作家になったことによって女性ファンがついたり、出版社の女性とかかわるようになったりして、少し嫉妬をしていたところもかわいらしい。
なんというか、その瞬間の感情で生きているんだな須磨子さんは、という感じ。
外から読んでいる私からすれば、研究と模型くらいにしか興味がない水柿くんが浮気をするとは到底思えないんですが、須磨子さんは気になる様子でしたね。
もう1つ好きな点として、主題から脱線し放題だったり、おそらく意味がないであろう文章があふれていて、それを読むのが楽しいというところがあります。
適当な塩梅のダジャレがたくさんあったり、飲むヨーグルトの紙パックは牛乳の紙パックとパッケージが酷似していて間違えてコーヒーに入れてしまうからよくないという謎の主張が熱心に語られたり、須磨子さんがミニクーパーをいつも半ドアにするところから喧嘩になったり……正直、記事を書いている私でも、この小説を読んでいなかったらこの説明は意味が分からないと思います。
でも、いいのです!
そういったよくわからない主張や、なんのことはない日常的な様子を読むのもたまにはいいじゃないですか?
脳をリラックスさせて、何も考えずにスラスラと読めて、面白い。
素敵な娯楽だと思います。
毎回論理が完璧にはまっているものばかり読んでいたら疲れてしまいますからね。
箸休め小説として最適!
こんな人におすすめ
森博嗣さんのシリーズを1シリーズもしくは2シリーズ読んでいて、作品から伝わってくる雰囲気や、思考パターンに共感できる人にはオススメです。
水柿くんと須磨子さんのやりとりは、S&Mシリーズの犀川先生と世津子さんの会話に通ずるものを私は感じ取ったので、それらが好きな人も気に入ると思います。
また、上にも書いたように、あくまでも小説だと主張している本作品ですが、おそらくそういう体裁にしている森博嗣さんのエッセイだと思われるので、森さん自身のパーソナルな部分に興味がある方も読んでみては?
あとは、頭を空にして軽い小説を読みたいという人も、このシリーズはいいですよ!
まとめ
思うままにいろいろ書いてきましたが、リラックスしてサラサラ読めてクスっと笑えたりもして好きな作品でした。
本シリーズは、全3巻からなります。
前巻と次巻を紹介して終わりにします。
シリーズ第1巻はこちら。
シリーズ第3巻はこちら。
それではこの辺で。
バイバイッ! またねっ!