ようこそ、シュガーです。
今回取り上げさせてもらう作品はこちら。
本題に入る前に感情を爆発させて言いたい!
この作品は、もう、私の中では傑作中の傑作です!
面白過ぎました。最高です!
ふう、少し気持ちを落ち着けられました。
では行ってみましょう。
内容紹介
僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は?
書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!
内容紹介引用元:講談社タイガ公式ホームページ
URL:http://taiga.kodansha.co.jp/author/s-aizawa.html
記事本文
感想等
相沢沙呼さんは好きな作家の1人で、文庫になった作品のほとんどを読んでいます。
そんな相沢さんが講談社タイガで書かれている本作品。
存在も知っており、作家買いでずっと前から手元にはあったのですが、読むのが遅くなりました。
もっと早く読まないといけない作品でした。
読み始めたらグイグイ引き込まれ、会社の休み時間や仕事が終わって帰ってからの時間をすべてあてて読み切りました。
久しぶりにこんなに熱中した読書体験でした。
今のところですけど、今年イチな気がします。
どうやら映画化もされているようですが、それらは見てませんし、キャストや主題歌もよく知りません。
この作品を小説で読まなくてどうする!
(楽しみ方は個人の自由です。あくまでも私の個人的な意見)
内容としては、学生時代にプロの作家としてデビューしたものの、なかなか結果が出せずに腐りかけていた高校生で主人公の千谷くんと、同じくプロの小説家でクラスメイトで美人で……一見すると完璧人間に思える小余綾さんが、2人で1つの作品を作り上げていくというもの。
最初は正反対な存在と思えた2人ですが、関係していくうちにだんだんといろいろなことが明らかになっていきます。
このあたりの物語の構成は、ミステリーを書いている相沢さんだけあって非常に巧妙。
前半で語られていた事柄が後半になって意味を持ってくるという作りは流石すぎます。
やっぱりプロの作家はすごいと改めて感心。
あと、文章が読みやすい。みずみずしい。ぐんぐん読めます。
作品全体通して、創作に対する苦悩や葛藤がこれでもかというほど描かれます。
書いた物語が評価されない、人に届かない、打ち切りになる、続きを書き終えているのに出版ができない、などなど。
結果が出ていない千谷くんと、結果を出している小余綾さんの間では衝突が頻繁に起き、その度に千谷くんは気分が落ちてしまうという。
感情移入しすぎて読んでいるこちらまで苦しくなったりふさぎ込んだりしてしまいます。
それだけこの物語に熱中できたということでもありますが。
ただ、苦しいだけでは終わりません。
千谷くんは、悩んで、苦しんで、くじけて、立ち止まって、違う道を歩こうと考えたりもするのですが、小余綾さんと関わって、小余綾さんのことを少しずつ知って、すこしずつ前を向き始めるのです。
数少ない友人の九ノ里くんも、普段は冷静に、時には力強い言葉をで千谷くんを動かします。
千谷くんに勇気を持たせるために、奮起させるために九ノ里くんがかけた言葉で印象に残っている部分があるのですが、それをここに書いてしまうと物語の良さが減ってしまうので書きません!
ただ、あれはめちゃくちゃ格好良かった、
あまりにもシビれましたし、千谷くんに感情移入していた私は感動して泣きそうでした。
思わず口から「ちょっと待ってくれ……格好良すぎるだろ九ノ里……」とこぼれるほどでした。
もう1つ、作品の中で何度も出てくる問いかけとして「何故小説を書くのか?」というものがあります。
ここについても、前半は2人の意見は全くあわず、喧嘩になったり冷戦状態になったりしますが、最後の最後で2人が出した結論はとても美しく優しいものになっており、読んでいるこちらが勇気や希望をもらえました。
とにかく良かった。
「人間が書けてなさすぎる」
「感情移入をするなら……先輩が主人公の物語がいい」
「わたしが、あなたのファンだからよ」
「言葉では遅すぎる」
「けれど、物語は、願いだ」
などなど、読んでいくと心に刺さりまくるセリフがたくさん出てきて、たまらない気分になります。
コレ……この記事全然整理されてませんし、作品の魅力も十分紹介することができてないので、我ながら表現力や構成力がなくて悔しい思いなのですが、とにかく良かったことは間違いないので、是非とも手に取ってもらいたい!
想像を凌駕する面白さで感情がめちゃくちゃ揺さぶられたので、落ち着いてから記事を書こうと思って1日待ったのですが、ダメでした。
落ち着いてないどころか、色々思い返して更に思い入れが強くなっています。
ちょっとこれは面白過ぎた。
熱くなれるし、感動して泣けるし、苦しい思いもするし、でも最後は優しくて清々しい気持ちになれる。
本当に名作だ。
出会えてよかった。
相沢さん、素晴らしい作品を生み出してくれてありがとうございます。
これからもファンです。
こんな人におすすめ
小説が好きな全人類この作品を読んだ方がいいです!
面白くないわけがない。自信をもってすすめられる。
あと、小説家や漫画家、ミュージシャンなどの、自分で作品を作り出すような職業についている方や、そういった職業をめざしている方は是非とも読んでください。
非常に胸に響くと思います。
相沢沙呼さんの別作品おすすめ紹介
ロートケプシェン、こっちにおいで
凄腕のマジシャンでもある女子高生の酉乃初が、学校で起こる不思議な出来事を解決していくという青春ミステリー。
文庫になっているのでお求めやすいですし、学園ミステリーが好きな方には刺さると思います。
ココロ・ファインダ
高校の写真部に所属する女子4人の前に、写真にまつわる4つの謎があらわれ、それらを解決していくうち中で、4人それぞれが抱える悩みや葛藤が見えたり、人間的な成長が見えたりするという作品。
短編連作形式なので読みやすいですし、高校生という若さやみずみずしさが文章からも伝わってきて素敵です。
他にも「卯月と雪のレター・レター」や「雨の日は学校に行かない」なども読んでおり、面白かった記憶があるので、紹介しておきます。
まとめ
相沢さんの小説は、どの作品も登場人物が個性的で魅力的ですし、どこか現実感が強い人物が出てきがちなのも好きですし、学生時代の雰囲気を思い出させてくれるみずみずしさのある文章も好きなので、もっとたくさん読みたいです!
マツリカシリーズも読もうと考えています、
読んだらまた記事にしようと思います。
それでは今回はこの辺で。
バイバイッ! またねっ!