ようこそシュガーです。
講談社タイガから発売されている
著者:白川紺子
三日月邸花図鑑 花の城のアリス
を読みました。
集英社オレンジ文庫から発売されている下鴨アンティークシリーズでファンになった白川さんの作品ということで手に取ってみました。
感想、レビューを書いていきます。
いつもの通り私の主観に基づく評価です。
世界観を説明するために多少のネタバレが含まれますのでお気を付けください。
白川紺子 三日月邸花図鑑 花の城のアリス
三日月邸花図鑑 花の城のアリス 内容紹介 あらすじ ストーリー
「早くわたしを見つけて」
禁忌の庭に住む少女と、優しすぎる探偵が解く、切ない秘密。「庭には誰も立ち入らないこと」――光一の亡父が遺した言葉だ。
広大な大名庭園『望城園』を敷地内に持つ、江戸時代に藩主の別邸として使われた三日月邸。光一はそこで探偵事務所を開業した。
ある日、事務所を訪れた不思議な少女・咲は『半分この約束』の謎を解いてほしいと依頼する。彼女に連れられ庭に踏み入った光一は、植物の名を冠した人々と、存在するはずのない城を見る。
内容紹介文は講談社ホームページより引用
URL:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000323882
三日月邸花図鑑 花の城のアリス 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと75点!
主人公は八重樫光一(やえがしこういち)。
「誰も立ち入らないように」と亡き父が言い残した庭を持つ三日月邸で探偵事務所をやっています。
彼のもとに持ち込まれる依頼を調査するうちに、光一は庭に足を踏み入れることになります。
そこには植物の精が暮らす別世界が広がっていました。
蓮や令法などの名前を持つ精霊たち。
光一は、探偵の仕事を進める中で植物たちの世界に関わることになり、父親が言い残した言葉の意味や庭についての謎を徐々に紐解いていくというお話。
短編連絡形式で4つのお話が収録されていました。
正直に言って、最初の2つのお話くらいまでは読みにくくて時間がかかりました。
私の知識がないからなのかもしれませんが、日常生活では使われないような古い言い回し、単語、表現が多用されており、意味を調べながら読み進めることになりました。
お話は面白いし、新しい言葉を知れるのでいいんですけど、物語の集中するにはイマイチだったかなぁ。
でも3つ目のお話からは読み慣れたのかスラスラ読めました。
3話目から八重樫家と関係の深い「牧家」という一族の兄妹が光一と関わるようになって、会話にユーモアがあったり、恋愛をにおわせるものがあったりしたのも読みやすく感じた理由かもしれません。
光一が探偵をやっていることや庭についての謎を解いていく本筋もあり、ファンタジーでありながらミステリーのような展開にもなってきます。
庭の謎を解いていく中で、かなり悲しくて苦しい事実が明かされて、読んでいる私までダメージを受けてしまいました。
なんともいえないというか、重い気分になってしまうというか。
物語を外側から読んでいる私ですらそんな気持ちになってしまうのですから、それを目の当たりにする光一が受ける衝撃は相当だと思います。
普段温厚というか淡白な印象の光一が、このあたりでは感情をあらわにしていたところからも伝わってきました。
謎を解いてからの光一の決断が、これからの光一の人生や植物たちの世界にとっていいものになるのかは分かりませんが、本人が決めたことなんだなぁと思ってじっくり受け止めました。
見ようによって、というか誰の立場になって物事を見るかということなんですけど、ハッピーエンドにも思えるし、破滅に向かっているようにも感じるという単純じゃない終わり方でした。
ん~読んだ人の意見が聞いてみたい。
和風ファンタジー×重めのミステリーでした。
ノスタルジックな気持ちにさせてくれたりもしますが、明かされた事実で体に重りを付けられたような感覚にもなります。
なので読む人は選ぶかもしれません。
白川さんの他の作品が好きな方は好きだと思います。
まとめ
講談社タイガから発売されている和風ファンタジーミステリー小説 「著者:白川紺子 三日月邸花図鑑 花の城のアリス」の感想 評価記事でした。
下鴨アンティークに重い要素を足したらこの作品になりそう、という表現が私の中でしっくりきます。
万人にオススメできるタイプの作品ではないと私は思いますが、面白かったのも間違いありません。
牧家の兄妹「実果子」と「数馬」が登場してからは読みやすくなって好みだったので、この2人が続投する後編があれば読みたいです。
でも1冊できれいに終わっている感じもあるので続きが出るかは分かりません。
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それじゃあ今日はこの辺で。
バイバイッ!
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