ようこそ、シュガーです。
講談社タイガから出ている青春小説
著者:相沢沙呼さん
小説の神様 あなたを読む物語 下
を読み終わりました。
「小説の神様」、「小説の神様 あなたを読む物語 上」の続編です。
では内容紹介や感想、レビューを書いていきます。
いつも通り私の個人的な評価です。
上巻のネタバレが若干あると思いますのでご注意を。
相沢沙呼 小説の神様 あなたを読む物語 下
小説の神様 あなたを読む物語 下 内容紹介 あらすじ ストーリー
小説が、好きです。
どうして物語を書くのか、どうして物語を読むのか。その答えが、きっとここにある――。あなたのせいで、もう書けない。親友から小説の価値を否定されてしまった成瀬。書店を経営する両親や、学校の友人とも衝突を繰り返す彼女は、物語が人の心を動かすのは錯覚だと思い知る。一方、続刊の意義を問う小余綾とすれ違う一也は、ある選択を迫られていた。小説はどうして、なんのために紡がれるのだろう。私たちはなぜ物語を求めるのか。あなたがいるから生まれた物語。
内容紹介文は講談社ホームページより引用
URL:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000313505
小説の神様 あなたを読む物語 下 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと90点!!
完全にやられました。とても面白かったです。
小説家や小説を愛する人たちを描いた青春物語。
上巻の感想では「期待していたよりもインパクトが薄かった」みたいに書きましたが、この下巻は凄い。
上巻で語られていたことが色々と効いてきて、読むのがとまらなかったです。
やっぱり相沢さんの小説は期待を超えて来る。
全力でオススメできます!
上巻では「続編を書く理由」を探しているから、千谷くんとの共作を書くのを少しやめていた小余綾さん。
千谷くんは、そんな小余綾さんに振り回されます。
ただ、読み進めると、小余綾さんが続編を書かないのには別の理由がありました。
これをここで書いてしまうとネタバレが酷いことになるので書きませんが、それを知った千谷くんは、自分の意見をぶつけたり、小余綾さんを理解しようと努力したりする姿を見せてくれます。
千谷くんが小余綾さんに伝えた「続編を書く理由」は、はたから見たら少し恥ずかしさを感じてしまうほどのものでしたが、小余綾さんはそれを聞いて気が晴れたようですし、これは2人の物語なんだから少しくらい恥ずかしかったりしてもいいんです!って謎の納得感もありました。
なんだかんだ言っても相性が良い2人なんだなぁと再確認できてうれしいです。
千谷くんたちも良かったですが、私には成瀬さんのエピソードが強烈に刺さりました。
成瀬さんの友達で小説を書いていた真中さんという女の子とのお話。
真中さんの書いていたオリジナルの小説を読んで、物語が好きになった成瀬さん。
2人は仲良しでしたが、クラスの中心人物が真中さんによくない言動をとっていて、成瀬さんは学校での自分の居場所を守るために真中さんの味方になることができませんでした。
その出来事がきっかけなのか、真中さんは転校してしまいました。
ある日、街で偶然真中さんの姿を見かけた成瀬さんは、色々と手を打って久しぶりに真中さんと会うことになります。
そこで小説の続きを書いているのか問いかけるも、書くのをやめてしまったという答えでした。
成瀬さんは、自分のせいで真中さんが小説を書かなくなってしまった、あの物語の続きが読めなくなってしまったと苦しみます。
もう、このあたりは読むのが辛くて悲しくて逃げ出したくなるほどでした。
経験したことはないですが、自分の好きなものが自分のせいでなくなってしまうのは、想像するだけで倒れそうになってしまいます。
そんなことはあってはならないです。
ただ、成瀬さんは、今の学校の友達と一緒に過ごしてきて、言いたいことや考えていることは、伝えなければ相手が分かってくれるわけがないと身をもって知っていました。
なので行動を起こすわけです。
真中さんが再び小説を書いてくれるように。
真中さんに自分の気持ちを伝えるために。
この展開がちょっとあまりにも良すぎて心が震えましたよ!
前作や本作の上巻を読んできた限りだと、引っ込み思案で自分に自信のないタイプに読み取れる成瀬さんが、色々な人に力を借りたり、身近な人、好きな小説、読書好きの知り合いなどに影響されたりして、自分の足で進み始めるんです!
人間が成長する場面に立ち会うのは、何度あっても良いものです。
しかも、真中さんに自分の気持ちを伝えるために取った方法が、これまたこの作品らしいものになっていてグッときました。
最後のエピローグを堪能した後の、読後感の爽やかさや暖かさ、感動と安心具合いったら、言葉で表すのが難しいくらい良いものでした!
作中で「ヘンな名前の作家」が出した本も、こんな効果を演出してくれるとは。
ちょっとこれ以上詳しく書くと、読んだ時の感動が薄れてしまうので、このくらいのボカシ方にしておきます。
あともう1つ!
今回も、文芸部で千谷くんたちと一緒に活動している九ノ里くんが今回も格好良すぎました!
登場シーンや言葉数は多くないのですが、肝心なところで千谷くんに力を与える言葉をくれるんですよ彼は!
もう、めちゃくちゃ九ノ里君のことが大好きです。
1番好きな登場人物です!
あ~~~CV.梅原裕一郎さんでアニメ化してほしいぞ~~~!
あとは……。
「物語はただのエンターテイメントなのか?」という件については、登場人物それぞれの考え方があるような書きぶりでした。
上巻の感想記事で色々勘ぐって書いていましたが、明確に「こういう意図で書いている」みたいなのは無かったように思います。
書き手も読み手も数はたくさんいますし、同じ作品を読んだとしても受け取るものは十人十色ですからね。
私としては、作品をどう楽しむかは個人の自由だという考えは変わりませんが、作品を丁寧にじっくり楽しみたいという個人的な考えも変わりません。
だって、小説って書くのめちゃくちゃ難しくて労力がいるんですよ?
素人2次創作小説を自分のためだけにしか書いたことのない私ですらそう感じるんですから、300ページとかの作品を作りあげて読者を楽しませているプロの作家は凄まじいですよ。
尊敬の対象でしかない。
面白い物語を生み出してくれて、それで私の人生を楽しいものにしてくれているわけですから、感謝してもしきれません。
最後は話が脱線しましたが、凄く面白かったですし、胸に響くお話でした。
「自分の好きなものに自信を持っていいんだ」という勇気をくれる物語でもあったように感じました。
作詞家作曲家、マンガ家、小説家、作家、動画クリエイターなどの、何かを生み出す仕事をしている人や、そういった仕事を目指している人に是非とも読んでほしいです!
もちろん小説を読むのが好きな人にも読んでほしいです!
面白いですよ!
小説の神様シリーズ感想記事リンク
当ブログで書いている小説の神様シリーズの感想記事リンクです。
一緒に見てもらえたら嬉しいです。
小説の神様 感想 レビュー
小説の神様 あなたを読む物語 上
相沢沙呼さんの作品感想記事
マツリカ・マハリタ 感想 レビュー
medium 霊媒探偵城塚翡翠 感想 レビュー
まとめ
講談社タイガから発売されている相沢沙呼さんの青春小説「小説の神様 あなたを読む物語 下 」を読んだ感想、レビュー記事でした。
後半から終盤にかけての高揚感や、読み終わった時の清々しい気持ちが味わえて、読んでよかったと心から思いました。
多くの人に読んでもらいたいです。
続刊は出るんでしょうか?
ゆっくり待っておこうと思います。
この記事を読んでいただいてありがとうございました!
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いつも読んでくれている人はありがとうございます。
それじゃあ今日はこの辺で。
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