ようこそ、シュガーです。
著者:八目迷 さん / イラスト:くっか さん
ミモザの告白
を読みました。
「このライトノベルがすごい!2022」で、文庫部門第4位、新作部門第2位に選出された作品!
面白かったです。
さっそく感想、レビューを書いて行きます。
いつも通り私の主観に基づいた評価です。
多少のネタバレが含まれると思うので、ご注意ください。
八目迷 くっか ミモザの告白
ミモザの告白 内容紹介 ストーリー あらすじ
その告白が、世界を変える。
とある地方都市に暮らす冴えない高校生・紙木咲馬には、完璧な幼馴染がいた。
槻ノ木汐――咲馬の幼馴染である彼は、イケメンよりも美少年という表現がしっくり来るほど魅力的な容姿をしている。そのうえスポーツ万能、かつ成績は常に学年トップクラス。極めつけには人望があり、特に女子からは絶大な人気を誇っている――。幼馴染で誰よりも仲がよかった二人は、しかし高校に進学してからは疎遠な関係に。過去のトラウマと汐に対する劣等感から、咲馬はすっかり性格をこじらせていた。
そんな咲馬にも、好きな人ができる。
クラスの愛されキャラ・星原夏希。彼女と小説の話で意気投合した咲馬は、熱い恋心に浮かれた。
しかしその日の夜、咲馬は公園で信じられないものを目にする。それはセーラー服を着て泣きじゃくる、槻ノ木汐だった。
『夏へのトンネル、さよならの出口』『きのうの春で、君を待つ』で大きな感動を呼んだ<時と四季>シリーズのコンビ、【八目迷×くっか】が挑む新境地。とある田舎町の学校を舞台にした、恋と変革の物語。
内容紹介文は小学館HPより引用
URL:https://www.shogakukan.co.jp/books/09453018
ミモザの告白 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと80点!
主人公は特に特徴のない男子高校生の紙木咲馬(かみきさくま)。
咲馬には、槻ノ木汐(つきのきうしお)という幼なじみがいます。
汐は美少年で勉強もスポーツも出来て人望もある、いわゆるヒエラルキーと上の方に属する人間です。
咲馬と汐は、昔は仲よくしていましたが、咲馬が汐に劣等感を覚えるようになってしまい、関わることが少なくなっていました。
そんな中で、ある時、咲馬は偶然にも汐の秘密を知ってしまいます。
内容紹介にもある通り、汐がセーラー服を身にまとい、泣きじゃくる姿を見てしまうわけです。
何かの間違いかと思いながら過ごしていた咲馬ですが、汐は後日セーラー服姿で登校して来て「今日から女子としてやっていきます」と宣言します。
この汐の発言から、「汐とクラスメイトの関係」「汐と咲馬」の関係がガラリと変わっていく……というお話。
誤解や反感を生まないように感想を書くのが難しい作品だなぁと思います。
汐はいわゆるLGBTのT、トランスジェンダーと呼ばれる人たちの1人なんだと思います。
私はLGBTと呼ばれる人達と話したりしたことが無いので経験値がゼロで、このあたりは明確な定義や実際の言葉の使われ方に疎いので、間違っていたらごめんなさい。
汐は、体は男性だけど、中身は女性というキャラクタです。
それを隠して生きてきて、でもここで生き方を変える選択をする、と。
これってすごい勇気だと思います。
ましてや、学校という狭い社会に属するわけですから、その話題は直ぐに広がってしまうんです。
このカミングアウトが発端で、当然ですが汐の見られ方は急変します。
腫物を扱うような感じを受けたり、明確な嫌がらせを受けたりして、読んでいるのも辛い気持ちになりましたよ。
辛いを通り越して、怒りを覚える場面さえありました。
でも、そんな汐の状況を見て、今まで距離を取っていた咲馬が、少しずつ変わって来て、話しかけるようになったり、庇うような振る舞いするようになったりして、凄く頼もしい気持ちになりました。
やっぱり幼なじみは良いなぁ。
ただ、ただですよ!
この汐のカミングアウトで、疎遠になっていた汐と咲馬が昔の関係に戻ってめでたしめでたし……では無いんですよこの物語は!
ここが凄い!
これ以上はネタバレがいき過ぎるのでここでは書きませんが、この先が更に心を揺さぶられる展開になっています。
この展開に「ミモザ」というキーワードから連想してたどり着く人もいるかもしれませんね。
汐の「女子で行く」発言から、色々なことを考えるようになった咲馬が、さらにいろいろなことを考えたり、自分に問いかけたり、人に相談したりすることになります。
読んでいる私も、咲馬と一緒に考えさせられました。
実際自分が咲馬と同じ立場になったら何を思って、何が出来て、何が出来なくて、何を言葉にするんだろうか、とか。
私だったら、咲馬みたいにまっすぐ向かい合うのは難しいなぁと思ってしまいました。
咲馬が迷ったり間違えたり遠ざかったりしながらも、少しずつ着実に進んでいる様子を見て、高校生でこの精神面はすごいなぁと感心しました。
そんでもって最後のあのシーン!
どうなるんだ~~~!!!?
全く予想がつかないです。
続き読みます。
なんというか、恋愛もの好きな人にオススメ、とか学園もの好きな人におすすめとか、そういう系統の作品ではないと思います。
テーマは結構重くて、作品としてのエンタメ性みたいなものも低くて、読むのに体力と精神力が必要です。
内容についても好き嫌いは別れると思います。
でも、これはマイナスでは無いと思います!
買う前に少し調べて、それから手を出してもらえたらと思います。
ただ、理想を言えば、多くの人に読んでもらって、色々な人がたくさんのことを考えてくれたらいいなぁと思いました。
ミモザの告白 作品PV
ガガガ文庫公式チャンネル-ガガガch!!!に、ミモザの告白紹介PVがあるので、引用して紹介します。
www.youtube.com
セリフなしの50秒くらいの短い動画ながら、作品の内容をしっかりと教えてくれるものになっていると思います。
まとめ
ガガガ文庫から発売されているライトノベル「ミモザの告白」を読んだ感想、レビュー記事でした。
人を選ぶと思いますし、読み終わった後に疲労感を覚えたりもしましたが、読んでよかったと思う作品でした。
2巻も出ているので、続きを読んでいこうと思います。
色々な人が生きやすい世の中になればいいですね~。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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それじゃあ今日はこの辺で。