ようこそ、シュガーです。
宝島社文庫から発売されている小説
著者:柏てん さん
京都伏見あやかし甘味帖
おねだり狐との町屋暮らし
を読みました。
2017年に読書メーターで文庫部門の読みたい本の第1位になったこともある、京都を舞台に妖と和菓子をテーマに送る不思議なお話。
感想、レビューを書いて行きます。
いつも通り個人的な評価です。
多少のネタバレが含まれますのでご注意ください。
柏てん 京都伏見のあやかし甘味帖 1
京都伏見のあやかし甘味帖 1 内容紹介 ストーリー あらすじ
ワーカホリックな29歳、れんげ。会社から唐突な退職勧告を受け帰宅すると、結婚予定の彼氏と見知らぬ女!?「俺がいなくても、れんげは生きていけるだろ?」。そんなことあるか、ボケ!! 傷心のれんげは旅立つ、超メジャーだが未踏の地、京都へと。そこで出会ったのは、おっとり系大学生男子とおしゃべりな黒狐。黒狐曰く「れんげの願いを叶えて、徳を積むのです!」。スルーしたものの、次々と怪異に巻き込まれ……。あやかしと老舗甘味を巡る、不思議な物語、開幕です!
内容紹介は宝島社HPより引用
https://tkj.jp/book/?cd=72752901
京都伏見のあやかし甘味帖 1 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと75点。
メインキャラクタは2人です。
1人目は大薄れんげ(おおすきれんげ)、29歳。
付き合っていた相手に浮気され、勤めていた仕事も失ってしまった彼女は、当てもなく京都へ向かいます。
そこで出会うのが2人目の主要登場人物の穂積虎太朗(ほずみこたろう)、20歳。
れんげが宿泊する民宿の家主で、和菓子大好き人間でもあります。
民宿で暮らしていく中で、れんげと虎太郎は自らを神の使いと名乗る狐の妖怪に出会います。
この出会いによって、れんげの忙しい毎日が始まっていく……というお話でした。
傷ついた心のまま京都にやってきたれんげが、自分を守るために厳しい言葉を口にしたり、自分を無理やり保とうとしたりする場面は、読んでいて辛いものがありました。
虎太郎は、そんな状態のれんげを受け止めて正面から対応していたので「聖人か?」と思いながら読み進めました。
私だったら虎太郎のように優しくいなすような対応はできません。
20歳とは思えない大人っぽい精神を持ち合わせているなぁと思いました。
狐の妖怪コンと出会ってからは、傷ついていることを思い出す暇がないほどドタバタ騒がしい毎日が始まります。
れんげは、これのおかげで過去のことを思い出さなくてすみましたし、時には過去の自分を振り返って言動を改めたりするきっかけになったりもしていて良かったですね。
自分を客観的に見るのは非常に難しいですよね。
私も普段の生活の中で自分が周りにどう映っているのか考える時が結構あります。
自分では自分を俯瞰して見ているつもりですが、なかなかうまくはいきません。
何かのきっかけで自分を見直せる機会があるのは良いことだと思います。
れんげにもその機会があったのは良かったんじゃないかと思います。
虎太郎は和菓子オタクの側面があって、色々な和菓子屋さんに行っては至福の時間を味わっていました。
私は学生の頃から歴史の授業が大嫌いだったので、虎太郎が語ってくれる和菓子屋さんの歴史だったり、和菓子のうんちくだったりは全然頭に入って来ませんでした。
難しい漢字とルビの羅列が目から入って来て脳を通らずそのまま出ていく感じでした。
でも、虎太郎が幸せそうにお菓子を食べるシーンはホッコリして良かったなぁと思いました。
れんげ視点のお話がメインストーリーで、虎太郎視点のお話はサイドストーリーみたいな感じになんだと思います。
章ごとに虎太郎視点だったりれんげ視点だったりのお話が楽しめました。
読み始めた時は大学生と社会人の恋愛要素もあるのかと思っていましたが、1巻の時点ではそういう面はあまり見えませんでした。
もしかしたら続きを読めばあるのかもしれません。
夏目友人帳や京都なぞとき四季報などが好きな方におすすめです。
試し読みはコチラ。
まとめ
宝島社文庫の「京都伏見のあやかし甘味帖 おねだり狐との町屋暮らし」を読んだ感想、レビュー記事でした。
おいしそうな和菓子とあやかし関連の不思議な出来事が楽しめるお話でした。
コンと虎太郎と出会ってから、れんげの心の傷が少しずつふさがっていくような感じがしました。
どたばた忙しくて休む暇のない展開が続きますが、結果的にはそれが良かったんだと思います。
京都や和菓子に興味がある方、読んでみてはいかがでしょう?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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それでは今日はこの辺で。
またねっ! バイバイッ!