ようこそ、シュガーです。
著者:綾里けいし さん
イラスト:生川 さん
霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない
を読みました。
綾里さんのデビュー作でファミ通文庫から発売されている「B.A.D」に似た雰囲気の作品でした。
感想、レビューを書いて行きます。
いつも通り個人的な評価になります。
多少のネタバレが含まれると思いますのでご注意ください。
綾里けいし 生川 霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない
霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない 内容紹介 ストーリー あらすじ
その少女は「かみさま」のなりそこない――
藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。
それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。
そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。数奇な運命のもとに生まれ――そして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。
これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。
内容紹介文は小学館HPより引用
https://www.shogakukan.co.jp/books/09453042
霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと85点!
ホラーや伝奇とミステリーが合わさったような作風でした。
メインキャラクタは2人。
1人目は藤咲藤花(ふじさきとうか)。
異能の家系に生まれ、かみさま候補だったが、神様になれなかった少女。
恨みつらみを持った魂を現世に呼び寄せる能力を持っています。
2人目は藤咲朔(ふじさきさく)。
大学生で藤花の従者。
藤花がかみさまになれなかった今でも何かと世話を焼いています。
そんな藤花と朔が、奇妙だったり猟奇的だったりする事件に出くわして、関わっていくというお話です。
トリックのロジックがどうとか、密室がどうとか、そういうタイプではありません。
その事件が何を主張したいのかだったり、犯行に及んだ犯人の精神状態だったりを考えていくようなタイプの作品でした。
それぞれの事件には狂気や愛、欲望みたいなものが絡んでいます。
想像もしないような動機だったり事件の意味だったりがバンバン出てきて、驚かされたり困惑したりしました。
思わずホッチ助けて~!! と言いたくなります笑
(※ホッチとは、海外ドラマクリミナルマインドに搭乗するプロファイラーのアーロンホッチナーのことです)
クリミナルマインドが好きな方は結構好きな作風なのかもしれません。
本作で登場する事件の動機にほとんど共感できなかった私は普通の人間なんだなぁと実感します。
それが良いのか悪いのかは別にして。
藤花と朔のキャラクタ性や関係も魅力的でした。
藤花は「かみさま」になりそこなったことで、朔のもとに転がり込んでニートをしています。
普段はダラけた態度なのに、事件が起こった時は冷たさを感じさせるほど落ち着いていて大人っぽい雰囲気を醸し出すという二面性がありました。
ちょっと驚いてしまうほどのギャップ。
奇妙な事件に巻き込まれることで藤花にはリスクが付きまといます。
朔はどんな手段をとっても藤花を守ろうと決めており、それをしっかり行動にもあらわしていたのが良かったです。
若干怖さを感じるくらいまで藤花を大切にしている様子でした。
主従の関係以上のものが見えた気がします。
終わり方は読む人によってハッピーにもバッドにも思えるかもしれません。
私は好きな終わり方でした。
綾里さんの作品は講談社タイガの「偏愛執事の悪魔ルポ」や、ファミ通文庫の「幻獣調査員」が好きなので本作も手に取ってみました。
これらが白い綾里さんだとすると、本作は黒い綾里さんっぽい感じがしました。
私は白い綾里さんの作風の方がより好きですね~。
本作も読む人を選ぶでしょう。
B.A.Dが好きだった方や、奇妙で猟奇的な事件を読みたい方にはオススメです。
試し読みはコチラから。
綾里けいし さんの作品紹介
当ブログで書いている綾里さんの小説の感想記事リンクです。
一緒に見て行ってください!
偏愛執事の悪魔ルポ 感想 レビュー
まとめ
ガガガ文庫の「霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない」を読んだ感想、レビュー記事でした。
好き嫌いがはっきり分かれそうな作品だと思います。
ライトノベルでこういうホラーや伝奇×ミステリーといったジャンルは珍しいような感じです。
メリーバッドエンドで読者に考えさせるような余白があるが良かったです。
興味のあるかたは、是非ともご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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それでは今日はこの辺で。
バイバイッ!