ようこそ、シュガーです。
著者:菊石まれほ さん/ イラスト:野崎つばた さん
ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒
を読みました。
第27回電撃小説大賞《大賞》受賞の本作品。
前々から気になっていたので、ようやく読めて嬉しいです。
ストーリーをじっくり読みたい人、洋画のSFやクライムサスペンスが好きな人にはオススメです。
内容紹介や感想、レビューを書いていきます。
いつも通り私の個人的な評価です。
作品概要の紹介で多少ネタバレになるかもしれないので、お気をつけて。
菊石まれほ 野崎つばた ユア・フォルマ
ユア・フォルマ 内容紹介 ストーリー あらすじ
孤独な天才捜査官。初めての「壊れない」相棒は、ロボットだった。
★第27回電撃小説大賞《大賞》受賞作!!★
最強の凸凹バディが贈る、SFクライムドラマが堂々開幕!!脳の縫い糸〈ユア・フォルマ〉――ウイルス性脳炎の流行から人々を救った医療技術は、日常に不可欠な情報端末へと進化をとげた。
縫い糸は全てを記録する。見たもの、聴いたこと、そして感情までも。そんな記録にダイブし、重大事件解決の糸口を探るのが、電索官・エチカの仕事だ。
電索能力が釣り合わない同僚の脳を焼き切っては、病院送りにしてばかりのエチカにあてがわれた新しい相棒ハロルドは、ヒト型ロボット〈アミクス〉だった。
過去のトラウマからアミクスを嫌うエチカと、構わず距離を詰めるハロルド。稀代の凸凹バディが、世界を襲う電子犯罪に挑む!
第27回電撃大賞《大賞》受賞のバディクライムドラマ、堂々開幕!!
内容紹介文は電撃文庫公式ページより引用
URL:https://dengekibunko.jp/product/yourforma/322011000154.html
電撃文庫のYouTubeチャンネルで作品紹介の動画があるのでそちらも紹介します。
動画で見ると概要が少しつかみやすいと思います。
花澤さんと小野さんがエチカとハロルドを演じています。
夫婦が相棒をそれぞれ演じるとは笑
ユア・フォルマ 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと85点!
内容紹介文だけでは作品の概要をつかみきれないので、本作を読んだ私が砕いて書いてみます。
多少ネタバレアリになります。
ユア・フォルマという細い糸のような情報端末を脳に埋め込むことが主流となった近未来が舞台の作品です。
そして、アミクスと呼ばれる人間そっくりのロボットが存在しています。
ユアフォルマには、その人が見たもの、感じた気持ち、聞いたことのすべてが記録されます。
主人公のエチカ・ヒエダは、犯罪捜査のために様々な人間のユアフォルマに記録された情報を読み取る「電索官」として働いています。
電索官にはユアフォルマと相性の良い特殊な人しかなれず、その中でもエチカは情報処理能力がスバ抜けた存在です。
電索官は「補助官」と呼ばれる職種の人とバディを組んで仕事をしていきます。
電索官は記憶を読み取る(=電索)ために電子の世界に潜りますが、その終了のタイミングを自分でコントロールできません。
そのため、補助官が電索官とケーブルを介してつながって、電索の終了タイミングを決め、電索官を電子の世界から引きあげて現実の世界に戻す役割を担います。
電索官とつながっている間、補助官には電索官の見た記憶情報が共有されます。
エチカは情報処理能力が凄まじいレベルなので、補助官の脳が追い付かずにトラブルを起こしてしまいます。
補助官の脳に多くの負荷をかけて病院送りにしてきたエチカのもとに新たにやってきた補助官が表紙のもう1人であるアミクスのハロルド・ルークラフトでした。
ある理由からアミクスを毛嫌いするエチカと、そんなのお構いなしに距離を詰めて来るハロルドがバディを組んで電子犯罪を解決すべく挑んでいく、というお話です。
大体の世界観をつかんでいただけましたかね?
さて、ようやく感想を書きます笑
率直に面白かったです。
ライトノベルは大まかに「キャラクタの魅力を前面に出した読みやすいタイプ」と「ストーリーを練ってあるしっかり読むタイプ」の2種類があると私は思っています。
前者は「この素晴らしい世界に祝福を」や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」などが有名かと思います。
後者だと最近アニメの最終話が放送された「86-エイティシックス-」だったり、このブログで私が激おすすめしている「君死にたもう流星群」や「七つの魔剣が支配する」のような作品たち。
ユアフォルマはどちらかと言えば後者の「ストーリーを練ってあるしっかり読むタイプ」だと私は感じました。
もちろんキャラクタも魅力的なんですよ?
ただ、ストーリーや設定に重きを置いているように思います。
語弊が無いように書いておきますが、私はどちらのタイプも好きですからね。
最初読み始めた時の印象は「硬派」、「これインセプションみたいだ」でした。
インセプションはクリストファーノーラン監督のハリウッド映画で主演はレオナルドディカプリオ。
人の夢の中に入って意識の中に情報を植え付けたり読み取ったりしていくSFアクション映画です。
それなりに難解かつ2.5時間ほどの長い映画ですが信じられないほど面白く、私はこの作品を5回以上見ています。
なので、ユアフォルマを読み始めた時は近い空気感を感じて嬉しかったです。
読み進めると結構違ったんですけどね笑
エチカとハロルドの2人は電脳犯罪、電子上の犯罪を解決するために現実世界で足を使った捜査をしたり、記憶に潜る電索をしたりしていきます。
ミステリーチックな要素もあって、謎解きが好きな私には嬉しい作りでした。
捜査の中で2人の個性や過去、関係性の変化もしっかりと描かれていて良かったです。
会話の感じもラノベ感が薄く、洋画の吹き替えのような雰囲気を感じました。
ハロルドがウィットに富んだ返しをしてくるのでグッドb
読み進めるうちにエチカの精神的な成長だったり、ハロルドの補助官としての在り方だったりが描かれて、大変さや辛さ、頑張れと言いたいような気持ち、ゾッとする感覚などを味わいました。
事件解決後のエピローグがコレまたよかったです。
正直ベタで先が読めてしまう展開ではあるんですが、それを待っていた私もいて、実際にその展開を読んでニヤリッといった感じでした。
面白かったです!
こういった作品では、ロボットと人間はどこまで分かり合えたり、共存できたりするのかについて考えさせられます。
洋画のSFやクライムサスペンスが好きな方、アニメ攻殻機動隊やBEATLESSなどが好きな方には全力でオススメできます。
この文体とこのキャラクタ、この内容なら創元SF文庫やハヤカワ文庫SFから出ていても違和感がないくらいです。
ブックウォーカーのサイトから試し読みができるので、気になった方は読んでみてはいかがでしょう?
読んだら買う羽目になりそうですけど笑
ユア・フォルマ メディアミックス情報
コミカライズ
ユアフォルマはコミカライズされています。
マンガを担当されているのは如月芳規さんという方です。
ブックウォーカーのサイトから試し読みができるので、URLを貼っておきます。
ユアフォルマ気になるけど、小説を読むのはハードルが高いという方はマンガの方で楽しんでもらえたらと思います。
まとめ
第27回電撃大賞《大賞》受賞のバディSFクライムドラマ 「著者:菊石まれほ さん / イラスト:野崎つばた さん の ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒」を読んだ感想、レビュー記事でした。
カッチリした文体にしっかりとした設定、面白いストーリーで読むのが楽しくて集中出来ました。
普段一般小説も読むライトノベル好きに読んでほしいですね~。
あとは、映画アイロボットやインセプションなどが好きなSFファンの方にも読んでもらいたいです。
最初の方を読んで好みの作品なのが分かったので3巻まで既に買っています。
今後も続刊を読んだ感想を書いていきますので、よろしくお願いします。
この記事を読んでいただいてありがとうございました!
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それじゃあ今日はこの辺で。
バイバイッ!