ようこそ、シュガーです。
角川文庫から発売されている小説
著者:比嘉智康 さん
あの夏、僕らに降った雪
を読み終わりました。
感想、レビューを書いていきます。
いつも通り私の個人的な意見、評価です。
比嘉智康 あの夏、僕らに降った雪
あの夏、僕らに降った雪 内容紹介、ストーリー、あらすじ
きみのことが好きなわたしは、明日消えちゃってるかも――切なすぎる恋物語
高校2年の夏休み。年齢を偽り、治験のバイトに潜り込んだ湊は、深夜の病棟で莉子に出会う。1日1つ(あるいは1つ以上)無関心なことが増える“無関心病”を患う彼女の、余命は1ヶ月。湊は彼女の闘病ドキュメンタリーに出演することになり、まだ興味があるものを全力で楽しもうとする莉子と共に北海道の夏を満喫する。自分とは真逆の明るくアクティブな莉子に惹かれる湊。しかし病は進み、莉子が湊への関心を失う日が来て……。
内容紹介文は角川文庫ホームページより引用
https://www.kadokawa.co.jp/product/322007000477/
あの夏、僕らに降った雪 感想、レビュー、評価
満足度は100点満点中90点!!
かなり面白かったです!
比嘉智康さんに外れ無し!
ライトノベルを書かれていた比嘉智康さんが一般レーベルの角川文庫で発表した作品になります。
主人公の男子高校生組木湊(くみきみなと)は、年齢を偽ってもぐりこんだ治験のバイト先の病院で、ヒロインで高校2年の世永莉子(よながりこ)と出会います。
彼女は無関心病という1日1つ以上のことに無関心になる病気にかかっており、余命は1か月。
関心がまだ残っていることを全力で楽しむ莉子の姿を見て、湊は惹かれていき、一緒に時間を過ごすようになります。
次第に仲良くなる2人。
ところが、無関心病の症状で莉子が湊に対する関心を失う時が来て……。
切ない恋物語!
莉子が自分の病気の症状や余命のことを把握したうえで、残された時間で、残された関心のある出来事を精一杯楽しむ姿は、明るくてキラキラしていて眩しいのに、それと同じくらい切なさや寂しさを感じてしまいました。
健康な体なら、これから先も楽しいことはたくさんあったし、美味しいものも食べられたし、思い出もいっぱい作れるのに。
読んでいる私がこういった感情になるんですから、一緒の時間を過ごしている湊の気持ちは計り知れません。
1人称で書かれており、モノローグで湊はいろいろと語ってくれてはいますが、それ以上のものがあると思います。
少し前までは2人で一緒に楽しんでいたものも、ある時から莉子の関心が消えてしまって、湊と莉子2人の思い出だったものが、いつしか湊だけの思い出になってしまう。
これはかなり辛いし切ないし悲しいしで、心に来る。
莉子の中には関心が無くなるので、莉子はそのことを思い出さ無くなりますが、湊の中から思い出が消えることはない。
関心を失う莉子も辛いですが、思い出を残された湊の方が更に悲しいとは……。
比嘉智康さんの独特で愉快な言葉遣いであったり、クセになるような2人の会話のやり取りがあるので、読み慣れていない人は最初困惑するかもしれません。
ただ、これがあるおかげで気持ちがふさぎ込み過ぎないで読み進められました。
でも、この楽しい2人の掛け合いがあることで、逆に辛い状況が強く伝わってきたりもするので、なんとも、まぁ、言葉が見つからない。
あらすじに余命1か月とあるので、その時がいつか来るだろうと思いながら読み進めましたが、実際にその時が訪れると気分は落ちました。
それだけ私も物語の世界に入り込んでいたんだと思います。
湊が莉子のことを考えて、その気持ちを吐き出すように書かれたモノローグを読んで、陳腐な表現ですが胸が張り裂けそうになりましたよ。
切なくて、焦がれていて、悲しくて、どうしようもなくて、でも受け入れるしかなくて。
そんなのって、、、という感じです。
そんな気持ちにさせられる展開のあと、エピローグで少し先の未来が僅かですが描かれます。
それを読んでから、少しだけ救われましたし、心にジーンと沁みるような感覚になりました。
人は命が尽きても、他の人の心や脳の中にずっと存在し続けることができるし、影響を与えることもあるんだなぁと思わせてくれました。
このエピローグは切なさもありますが、爽やかさや前向きな印象も感じさせてくれて凄く良かったです。
続けて2回読みました。
いや~終盤のことを書くとネタバレになってしまうので抽象的な感想になっている気もしますが、とにかく良かったので読んでほしいです!
200ページちょっとできれいに完結していて非常におすすめです。
比嘉智康さん作品 感想 レビュー記事リンク
当ブログで書いている比嘉さん作品の感想、レビュー記事まとめです。
ライトノベルから一般小説までまとめておきます。
命短し恋せよ男女 感想 レビュー
命短し恋せよ男女 2 感想 レビュー
あの夏、僕らに降った雪 感想 レビュー
まとめ
角川文庫から発売されている切ない恋物語 「あの夏、僕らに降った雪」 を読んだ感想、評価記事でした。
切なくて儚くて美しくて、でもあたたかくて優しい。
そんな物語を読みたい方におすすめです。
やっぱり私は、比嘉さんの独特な文章が好きです。
もっとたくさん作品を書いてほしいです!
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それじゃあ今日はこの辺で。
バイバイッ! またねっ!