ようこそ、シュガーです。
創元文芸文庫から発売されている小説
著者:凪良ゆう さん
流浪の月
を読みました。
2020年本屋大賞受賞作!
面白かったです。
感想、レビューを書いて行きます。
いつも通り個人的な評価です。
多少のネタバレがあると思いますのでご注意ください。
凪良ゆう 流浪の月
内容紹介 ストーリー あらすじ
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
内容紹介文は東京創元社HPより引用
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488028022
流浪の月 作品紹介 PV
やんわり内容に触れるような動画になっています。
感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと80点!
面白かったですけど、読んでいる時の精神疲労も結構ありました。
変わり者ではあるものの、自由で仲の良い両親のもとに産まれた主役の更紗。
小学生です。
彼女自身も自分の好きなように暮らしていました。
ところが、ある出来事によって更紗は伯母に引き取られます。
伯母のもとでは、今までとは正反対の息が詰まるような暮らしを余儀なくされてしまいます。
そんな中、公園で出会った青年の文と関わるようになり、更紗は伯母に黙って彼の家で暮らすようになります。
更紗が自ら選んで文の家にいることを選んだのに、世間からは「誘拐」と見られてしまいます。
そんな歪な関係の2人。
ある日、更紗が言った何気ないお願いが発端となって2人の生活が急激に動き始めてしまう……というお話でした。
本作に登場した言葉で物凄く印象に残っているものがあります。
事実と真実は違う。
これです。
世間から見た2人の関係と、実際の2人の関係は全然違っていて、でも世の中の人たちは全く理解してくれなくて……読んでいて苦しかったです。
私は更紗と文に感情移入して物語を追いかけていたので、外野が余計な口出しをするな、とか思っていました。
ただ、冷静になって見たら、青年が少女を保護者の許可なく自分の家に連れ帰るのは誘拐以外の何物でもないですよね。
このもどかしさ、というか認識のずれをバシッと表しているように思いました。
「事実と真実は違う」、うならされます。
更紗が小学生のことのエピソードだけでも相当シンドイ読書体験でしたが、それはまだ本作の一部です。
映画化もされたので少しネタバレを書いてしまいますと、更紗が大人になってからのお話しも描かれていました。
これもまた辛さを感じてしまうものがあって、読むのに苦労しました。
面白いのに読みづらいという、珍しい感覚でしたよ。
更紗の恋人がどうしようもない男だったり、運命の再会を果たしたすものの上手く対応できなかったり、仕事場の人や世間から同情的な目を向けられたり。
自分の生きたいように生きられなかったり、自分の主張したいことが聞いてもらえなかったりする苦しさを味わいました。
文と再会してからは、更紗が凄まじい行動力を発揮して驚きました。
そのおかげか、展開がスピーディでグイグイ読み進められました。
ここからもアレコレひと悶着どころではないほどなんですが、そこはもう読んでください。
昔の文の見え方が全然変わる事実が明かされて驚きましたよ。
病名は思春期遅発症? クラインフェルター症候群?
明かされなかったので分かりません。
最後、ハッピーエンドかバッドエンドかを読者に委ねるような感じに終わっていたように感じました。
私としては更紗たちが幸せなら周りはどうでもいいかなぁ~と思うのでハッピーで解釈しました。
こいいうのメリーバッドエンドって言うんでしたっけ?
読者の数だけ解釈があっていいと思います。
まとめ
創元文芸文庫の「流浪の月」を読んだ感想、レビュー記事でした。
面白かったのは間違いないですが、読むと心が疲れるのも間違いないです。
元気な時に読むことをおすすめします。
映画化しても映像映えしないようなストーリーだと思ったのですが、映画を見た方はどう感じたんでしょうか?
私、気になります。
また、自分の目に映っていることは物事の一面でしかないこと、世の中で普通とされていることが全ての人にとってそうではないことなどを頭に入れて過ごしていきたいとも思いました。
これは何回も自分に言い聞かせていることなんですが、なかなか定着しないんですよね。
ふとした時に思い出して、自分の言動を見直していきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
参考になったり面白かったりしたら、読者になるボタンのクリックやコメント、SNSでの共有などをお願いします!
それでは今日はこの辺で。
バイバイッ!