ようこそ、シュガーです。
著者:菊石まれほ / イラスト:野崎つばた
ユア・フォルマII (2) 電索官エチカと女王の三つ子
を読みました。
第27回電撃小説大賞《大賞》受賞作品のシリーズ第2弾!
前巻に引き続き、ストーリーをじっくり読みたい人、洋画のSFやクライムサスペンスが好きな人にはオススメです。
内容紹介や感想、レビューを書いていきます。
いつも通り私の個人的な評価です。
謎解きや核心部分のネタバレには気を付けて書いて行きます。
菊石まれほ 野崎つばた ユア・フォルマII (2)
ユア・フォルマII (2) 内容紹介 ストーリー あらすじ
謎のアミクスによる連続襲撃事件。鍵を握るのは女王の三つ子、最後の一人!
★第27回電撃大賞《大賞》受賞のSFクライムドラマ★
哀切怒濤の第2弾開幕――!!再び電索官として。歩み出したエチカに新たな事件が立ちはだかる。RFモデル関係者連続襲撃事件――被害者の証言から容疑者として浮上したのは、他ならぬ〈相棒〉ハロルドの名前だった。
「きみの思考に入り込めたらいいのに」
「あなたに潜れたらどんなにいいか」ままならない状況に焦るほど、浮き彫りになる<人>と<機械>の絶対的違い。埋められない溝に苦しみながらも捜査を続ける二人を待ち受ける衝撃の真相、そしてエチカが迫られる苦渋の選択とは――!
内容紹介文は電撃文庫ホームページより引用
URL:https://dengekibunko.jp/product/yourforma/322011000155.html
ユア・フォルマII (2) 感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点であらわすと90点!
お気に入り度というか、今回は衝撃度や突き刺さり度の方が適切かもしれません。
ユアフォルマという糸のような情報端末を脳に埋め込むことが主流となった近未来を舞台にしたバディSFクライムドラマ第2巻!
アミクスと呼ばれる人間そっくりなロボットの中でも特に高性能なRFモデルのハロルドと、人間で電索官のエチカが犯罪捜査に挑む物語。
RFモデルの関係者が連続して襲撃される事件が発生し、エチカたちは調査を進めていきます。
調査をしていくと、容疑者として名前が挙がったのがハロルドでした。
何かの間違いだと信じるエチカは、事件の解決に向けて動き出します。
調査の過程でRFモデルの秘密が明かされたり、人間とアミクスの違いがエチカに降りかかったりしていく……というお話でした。
読んで印象に残ったことの1つは、エチカの価値観や人間性が変わってきたなぁというものです。
第1巻の「電索官エチカと機械仕掛けの相棒」の序盤では、過去のトラウマからアミクスのことが嫌いで、人間とも必要最低限しか関わらないというのがエチカのスタンスでした。
そんなエチカがハロルドと関わるようになって、トラウマと向き合って、自分を受け入れる努力をして、少しずつ変わっていく過程を1巻で読んできました。
そしてこの2巻ではエチカの人との関わり方が明確に変わってきたのが伝わってきました。
今まで孤独を選んできたエチカなので、すぐに円滑なコミュニケーションをとることは出来ず、不格好だったり不器用だったりしますが、それでも少しずつ変わっていこうとするんです。
これが読んでいる私にはたまらないんですよ!
ただ、それ故に読んでいて苦しかったり、ままならないような気持ちにもなったりするのですが……。
印象に残ったことの2つ目に繋がってきます。
エチカが少しずつ変わって来て、相棒であるハロルドのことを理解しようと思うようになって、ハロルドに理解されたいと願うようになったことが、機械と人間の違いを浮き彫りにしてしまうわけなんです。
事件を解決するために取った「とある手段」で折り合いを付けられない2人のやりとりを読んでいると、これがエチカの心に人間と機械の違いを焼き付けてしまったように思います。
1巻でも似たような展開はありましたが、この2巻の方が更にダメージが大きかったです。
当然読んでいる私の脳にも鋭く刺さりましたよ。
自由に思考できて感情を持っている人間であるエチカと、人間に作られプログラムで行動しているハロルド。
目的を達成するための手段を選ぶときに感情が入って来るエチカと、不誠実な方法だとしても最善の方法を選ぶハロルド。
この違いが苦しくてビターで、2人の間に溝があって本当にライトノベルなのか? と思うような関係性ですよ。
P188のエチカの
「きみの心を覗けたらいいのにと、つくづく思うよ」
という発言が私の心臓をギュッとさせました。
仕事で常に容疑者のユアフォルマにダイブして記憶や感情を覗いているエチカが、こんな言葉をこぼすなんて。
そんなことはほぼ不可能だとエチカ自身分かっているのに、それでも口から出てしまったわけですから相当ですよ。
しんどい~~~!
ジャンル、世界観、文体、どれをとっても大人の読みものですよ。
事件の内容はネタバレになってはいけないので詳しくは語れないのですが、当たってほしくないと思っていた予想が当たってしまった感じでした。
上では人間と機械の違いに苦しむエチカの様子が胸にキタということを書いてきましたが、人間同士でも違うのは違うし、機械同士でも違うのは違うと改めて気づかされました。
そんなこんなあった終盤でハロルドの秘密が明かされた時は、目が点になるような衝撃を受けました。
それを知ったエチカの選んだ道も1巻の頃のエチカからは想像できないものになっていて、とにかくすごい!
出会いってこんなに人を変えるんですか………。
はやく続き読みます。
あぁ~~~お話は面白いけど、読んでいくと無力感や虚無感、ままならさ、苦さ、どうにもならない感じを覚えてしまう。
日常生活でこんな気持ちになることはほとんどないので、作品を通してこういった感情体験ができるのは嬉しいんです。
でもやっぱり私はハッピーが好きなので、どうにかなって欲しいと思わずにはいられません。
救いがあって欲しいと思うのは普通のことのハズ。
複雑な感情にさせてくれる素晴らしい作品だと思います。
みんな、読んでください。
そしてこの言語化不能に近い、形容しがたい感情を共有してほしいです。
あーーー面白いわホントに。
ユア・フォルマ シリーズ感想記事リンク
当ブログで書いているユアフォルマシリーズの感想記事リンクです。
一緒に読んでもらえたら嬉しいです。
ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒
まとめ
電撃文庫から発売されているSFクライムドラマライトノベル 著者:菊石まれほ さん / イラスト:野崎つばた さん の 「ユア・フォルマII (2) 電索官エチカと女王の三つ子」を読んだ感想、評価を書いてきました。
面白いのは間違いないですが、感情移入しやすい人や作品世界に没頭しやすい人は、読み終わってから疲労感や無力感、苦さを覚えると思います。
誤解無いように書いておくと、読後感が悪いと言っているわけでは無いです。
めちゃくちゃ感覚的な表現になりますが、
「くっ、あ~~~、こうなるのか……そうか……」
みたいな感じです。
これが伝わる人いるのか?笑
でも、そういう感じなんです。
とにかく知って欲しい、読んでほしいです!
この記事を読んでいただいてありがとうございました!
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それじゃあ今日はこの辺で。
バイバイッ!