ようこそ、シュガーです。
GA文庫から発売されている小説
著者:志馬なにがし さん
イラスト:raemz さん
透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
を読みました。
第15回GA文庫大賞受賞作!
恋愛小説がGA文庫大賞を受賞するのは本作が初のようです!
略称は「かけ恋」?
さっそく感想、レビューを書いて行きます。
いつも通り私の個人的な評価です。
多少のネタバレがあると思いますのでご注意ください。
透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
内容紹介 ストーリー あらすじ
第15回GA文庫大賞《大賞》受賞作。
目の見えない君は僕の顔も知らない――でも、この恋はふたりだけに見えている。「打上花火、してみたいんですよね」
花火にはまだ早い四月、東京の夜。
内気な大学生・空野かけるはひとりの女性に出会う。名前は冬月小春。周りから浮くほど美人で、よく笑い、自分と真逆で明るい人。話すと、そんな印象を持った。最初は。
ただ、彼女は目が見えなかった。
それでも毎日、大学へ通い、サークルにも興味を持ち、友達も作った。自分とは違い何も諦めていなかった。
――打上花火をする夢も。
目が見えないのに? そんな思い込みはもういらない。気付けば、いつも隣にいた君のため、走り出す――
――これは、GA文庫大賞史上、最も不自由で、最も自由な恋の物語。
内容紹介文はGA文庫HPより引用
https://ga.sbcr.jp/product/9784815621452/
作品紹介PV
人気声優の早見沙織さんにより作品紹介PVがGA文庫公式YouTubeチャンネルにアップされているので紹介します。
儚さや美しさを感じるものになっています。
作品の空気感を上手く表している気がします。
感想 レビュー 評価
お気に入り度を100点満点で表すと85点!
不自由で自由で儚くて美しい恋のお話でした。
面白かったです。
主人公は空野かける。
悪目立ちしないように静かに暮らしていて、自分から他の人と関わろうとすることの少ない大学生。
ヒロインは冬月小春(ふゆつきこはる)。
明るくて色々なことにチャレンジをしている女子大生。
目が見えない。
そんな2人が出会って、一緒にお茶をしたり、買い物に行ったりして徐々に距離を近づけていきます。
ただ、ある時2人に困難がやって来て……というお話でした。
核となる部分のネタバレをしないように紹介すると、こういう書き方ですかね。
ヒロインの小春と関わりだしてから、主人公のかなたが変わっていく様子が丁寧に描かれていました。
他の人と関わるのが面倒だと考えていたり、複数人でワイワイガヤガヤ騒ぐのが苦手だと感じていたのに「そういうのも小春とならいいかも」といったように感じている様子が読み取れて良かったです。
人との出会いは人間の中身を変えるんだなぁ~と思わせてくれます。
また、かなたが小春に優しく真摯に向き合っているところにとても好感を覚えました。
小春の目が見えないことを知った他の人たちが距離を置いたり過剰に優しくしたりする中、かなたは小春を尊重して不器用ながらもまっすぐ向き合っていきます。
最初はジェスチャーや「あれ、これ」のような指示語を使ってしまい、それが小春に伝わらないことに気が付いて後悔や反省をしたりもします。
ただ、次からは同じことをしないようにと心掛けて、具体的に物事を口に出して説明したり共有したりするように変わっていきます。
小春からは「優しさライセンス2級レベル」と言われるほど。
私は「目が見えない」大変さを経験したことがないので想像することしかできません。
1人で人混みを歩くのも、階段の上り下りも、着替えも、日常生活の様々な部分で大変な思いをするだろうと思います。
私が生活する中で1番情報量を得るのが視覚ですからね。
私が、というより大半の人間はそうだと思います。
それなのに、という言い方は失礼かもしれませんが、小春は凄く楽しそうに毎日を生きるんですよね。
とても眩しいです。
中盤から終盤にかけて、小春とかけるに困難が訪れます。
ネタバレになるので内容を書くことはできませんが、それを読んだ私の気持ちとしては「そんなことってあるのか……?」が強かったです。
メタ的な発言になりますが、私はけっこうたくさん小説を読んできたので「これは多分こういう展開になるだろうなぁ~」というのがある程度分かります。
正直言って本作も「こうなって欲しくないけど、空気感的になるかもしれない」と覚悟して読んでいました。
(ネタバレ防止のためとはいえ指示語連発で申し訳ない)
ただ、予想していたところで実際にその展開が来ると「マジか……」となるわけなんです。
人間は感情の生き物なんだと改めて思わされます。
シンドイ展開で心が折れそうになったりもしましたが、かけるや小春が頑張っている姿を読んでいたら、私も最後まで物語を読んで2人の行方を見届けようという気持ちになりました。
儚さと力強さの両方を感じるエンディング。
読んでよかったと思わせてくれました。
なんだか終始一般小説を読んでいるような気分でした。
具体的に何が?と聞かれると言語化が難しいのですが、ラノベっぽくない空気感な気がします。
私はラノベと一般小説のどっちが上とか下とかは無いと思っているので誤解無きように。
ただ、これまでの読書経験からそう感じた、と言うだけのことです。
一応書いておきます。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか? の「大森藤ノ」さんやお隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 の「佐伯さん」さん、処刑少女の生きる道の「佐藤真登」さんなどから絶賛のコメントも来ている本作。
気になった方は1度読んでみては?
試し読みはコチラ。
本作が気に入った方におすすめの作品を紹介
透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。を気に入った方へオススメ作品を紹介します。
それがこちら。
著者:比嘉智康 さん あの夏、僕らに降った雪
1日1つ無関心なことが増える難病を患ったヒロインが登場する儚くて優しい恋物語。
読後感が爽やかでおすすめです。
まとめ
GA文庫の「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」を読んだ感想、レビュー記事でした。
読んでよかったです。
興味のある方はネタバレを踏む前に読んでほしいです。
夏に読むのがピッタリだと思います。
私の中の作品イメージソングはUNISON SQUARE GARDENの「夏影テールライト」やsaji(ex-phatmans after school)の「棗」です。
紹介しますので読み終わった後で聞いてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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いつもスターをくれる方、ありがとうございます!
それでは今日はこの辺で。
バイバイッ!