ようこそ、シュガーです。
著者:早坂吝 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー 探偵AI 2
を読み終わりました。
感想、レビューを書いていきます。
いつも通り私の個人的な意見、評価です。
ミステリと人工知能と聞いて興味が湧く人にはおすすめです。
謎解きの部分はネタバレしないのでご安心を。
早坂吝 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー
探偵AI 2 内容紹介、ストーリー、あらすじ
人工知能探偵・相以(あい)の驚異的な推理力に大敗を喫した以相(いあ)。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ(Intelligence Amplification)完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル再燃。
内容紹介文は新潮社公式ページより引用
URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/180166/
探偵AI 2 感想、レビュー、評価
満足度を100点満点で表すと80点。
探偵役の人工知能相以(あい)と、犯人役の人工知能以相(いあ)が存在する世界のミステリーシリーズ第2巻。
タイトルにあるインテリジェンス・アンプリファーというのは、アーティフィシャル・インテリジェンス(AI、人工知能)と対比される概念だと作中で語られています。
AIが人類の知能にとってかわるように進化するのに対して、インテリジェンスアンプフリファーは、人類の知識をコンピューターなどで増幅させることで人類を進化させるというものだそうです。
人間がコンピューターを進化させるのか、コンピューターが人間を進化させるのか、ということなんだとぼんやり認識して読み進めました。
言葉の説明はこれくらいにしてストーリーです。
第1巻の「探偵AIのリアル・ディープラーニング」で人工知能探偵相以の推理力に負けてしまった犯人以相が、この第2巻では挑戦状をたたきつけてきます。
詳細は書きませんが、以相は人間に働きかけて知識を増幅させ、ある事件を起こすと宣言してきます。
これを相以は止められるのか、解決できるのか? というお話でした。
読み終わってみると、インテリジェンス・アンプリファー≒知識増幅、なるほどなぁ~と思わされるタイトルでした。
よく考えられているなぁと感心。
今回は短編連作ではなく1つの長編になっていたので、読みごたえがありました。
長編も好きですけど、私は1巻のような短編連絡の方が好きですね~。
あと、登場人物の名前が似通っていて若干こんがらがったりしました。
私に搭載されているCPUのスペックが低いからこんなことになってしまうの残念です。
ストーリー展開でロボット3原則やトロッコ問題がカギとなる話題になっていて興味深かったです。
ロボット3原則はご存じかと思います。
トロッコ問題というのは、多くの人を助けるためなら、1人を犠牲にしてもよいのか? ということをトロッコを題材に考える思考実験です。
大体そんな感じ。
自動運転が発達しつつある中で、基本的には人間を守るように設計されるコンピューターが、不慮の事態に陥ってドライバーと通行人のどちらもを救う選択肢が無い場合、どういった判断になるのか……。
そういったコンピュータの設計上のジレンマが事件に関わっていて凄く興味深いものでした。
事件の真相や以相の仕掛けを知るとゾッとしてしまいましたが、こんな未来が現実になってもおかしくないわけですから、怖いです。
私は、時代が進めば、最終的に人間よりコンピュータの方が主導権を握る気がします。
人間の体はコストがかかりすぎますからね。
移動にも時間がかかるし、考えたり動いたりするのにエネルギーがたくさん必要ですし、休息が必要なので長時間の連続運転が難しい、などのコスト。
その代わりに、今のところ機械よりも柔軟な発想力があります。
ただ、研究が進んでいけば、人間よりコストのかからなくて稼働時間が長くて、思考も柔軟になるコンピュータは出てくる気がします。
それに比べて人間はこれ以上の革新的な進化は難しそう。
頭や体にチップを埋め込んで記憶力を強化したり思考パターンを共有化したりは出来るかもしれませんが、それもハッキングされたらダメになりそう。
今回のお話も、若干そんな感じの話題が出ていて、なんとも言えない感情にさせられました。
まぁ私が生きている間には逆転は起きないと思うので良いですけど笑
かなり話題がそれましたが、探偵AIシリーズ第2巻も面白かったです。
続きの四元館の殺人も時間を見つけて読みたいと思います。
探偵AIシリーズ感想記事リンク
当ブログで書いている探偵AIシリーズの感想、評価記事のリンクです。
一緒に見てもらえたら嬉しいです。
探偵AIのリアル・ディープラーニング 感想、レビュー、評価
犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー 探偵AI 2 感想、レビュー
まとめ
新潮文庫NEXから発売されている著者:早坂吝 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー(探偵AI 2)の感想、評価記事でした。
人間に力を貸すAI探偵の相以と、人間を利用して犯行を行う犯人AIの以相の対比が面白かったです。
次もお話も読むと思います。
不気味の谷、ロボット3原則、トロッコ問題などのワードの惹かれる方は読んでみてはいかが?
もしこの記事が参考になったり面白かったりしたら、読者になるボタンのクリックや、コメントをしてもらえると嬉しいです!
モチベーションアップにもなりますので、よろしければお願いします!
それじゃあ今日はこの辺で。
バイバイッ! またねっ!